春画は江戸時代のエロ本と思われがちですが、 実は、エロ的な描写だけでなくユーモアもあふれていたので「笑い絵(笑絵)」とよばれていました。

意外と知られていないのですが、江戸時代の大物浮世絵師のほとんどが春画を描いていました。世界に誇る天才・葛飾北斎、猫大好きな奇想の絵師・歌川国芳、美人画の大家・喜多川歌麿などなど。

葛飾北斎(1760~1849)は、自ら”画狂人”と称するほど終生描くことに情熱を燃やし、九十年に及ぶ人生を画業一筋に歩んだことはよく知られています。




春画とは男女の営みをおおらかに描いたもので、江戸時代には庶民はもとより大名にまで幅広く親しまれていました。需要は高く人気もありましたが、幕府の禁令を受けた後は、いわゆる地下出版となり、その分豪華で手のこんだ美しいものがつくられました。江戸時代を包括的に理解するためには欠かせない裏の文化といえます。

江戸期の浮世絵師はほぼ全員といっていいほど、当然のように春画を描いていましたが、特に優れたデッサン力なくしては描けないジャンルなので春画を見れば絵師の技量が一目でわかるともいえます。

当然北斎も春画を手がけており、その卓越した構図と生き生きした線で画面いっぱいにあふれるように描かれた男女の姿がなんともいえないエロティシズムをもって迫ってきます。